売る?売らない?-親の家を「今すぐ売却しなくていい」ケースとは-
親の家のことを考え始めたとき、多くの方が最初にぶつかるのが、この問いです。
「結局、売った方がいいんだろうか?」
インターネットで調べると、
- 空き家は危険
- 早く売らないと価値が下がる
- 相続前に整理を
といった情報が並び、不安ばかりが膨らみます。
でも、私たちが伏見・山科を中心に多くのご相談を受けてきた中で、はっきり言えることがあります。
それは、
「今すぐ売らなくていい家」は、思っている以上に多い
ということです。
今日は、売却を急がなくてもいいケースを、できるだけ冷静に、分かりやすくお伝えします。
「売却ありき」で考えなくていい理由
親の家の話になると、いつの間にか「売る or 売らない」の二択になりがちです。
ですが本来、家は暮らしのための器であって、処分するためのものではありません。
特に、
- 親がまだ住んでいる
- 定期的に手入れされている
- 家族の関係が落ち着いている
こうした状況なら、結論を急ぐ必要はありません。
ケース① 親が「まだここで暮らしたい」と思っている場合

まず一番多いのが、このケースです。
- 「住み慣れた家が一番落ち着く」
- 「近所付き合いがある」
- 「環境を変えたくない」
こうした気持ちは、とても自然なものです。
この場合、売却は“選択肢の一つ”であって、“正解”ではありません。
大切なのは、「この家で、これからも無理なく暮らせるか」を一緒に考えること。
今すぐ売るよりも、
- 生活を1階にまとめる
- 使っていない部屋を整理する
といった「暮らし直し」の方が、現実的な解決になることも少なくありません。
ケース② 家は古いが、きちんと管理されている場合

築年数が古いだけで、「もう価値がない」「売るしかない」と思ってしまう方も多いですが、それは早計です。
- 雨漏りがない
- 定期的に修繕している
- 空気がこもっていない
こうした家は、
急いで手放す必要はありません。
むしろ、慌てて売ることで、「本来取れたはずの選択肢」を失ってしまうこともあります。
ケース③ 兄弟姉妹との関係が落ち着いている場合

親の家の売却で、一番こじれやすいのが家族関係です。
- 誰が相続するのか
- 売ったお金をどう分けるのか
- そもそも売ることに賛成か
これらの話は、時間をかけて整理するほど、後悔が少なくなります。
兄弟姉妹の関係が良好で、話し合いができる状況なら、今すぐ売却して結論を出す必要はありません。
ケース④ 「売らない選択肢」をまだ検討していない場合
意外と多いのが、売却以外の選択肢を知らないまま、売ろうとしているケースです。
例えば、
- 家を小さくして住み続ける
- 将来に備えて、今のうちに整える
- 一部だけ使う暮らしに変える
こうした方法は、「元気な今」だからこそ選べる道です。
売却を急いでしまうと、これらの可能性を検討する余地がなくなってしまいます。
「売らない=何もしない」ではありません
ここで一つ、大切なことをお伝えします。
売らない判断は、放置とは違います。
- 今後どうするかを家族で共有する
- 将来のタイミングを決めておく
- 困ったときの相談先を知っておく
こうした準備があれば、「今は売らない」という判断は、とても前向きな選択になります。
私たちが「今すぐ売らなくていい」とお伝えする理由
私たちは不動産会社ですが、すべてのご相談に対して「売却」をすすめるわけではありません。
なぜなら、
売ることよりも、後悔しないことの方が大切
だと考えているからです。
家は、資産である前に、家族の時間が積み重なった場所。
だからこそ、急がず、比べて、考えて、納得してから決めてほしいと思っています。
迷っている今こそ、整理するタイミング
親の家について「どうすればいいのか分からない」と感じているなら、それは何も決めていないからではありません。
情報と整理が足りないだけです。
そのための材料として、私たちは小冊子
「子育て卒業世代のための 住まいの整理の考え方」
をご用意しています。
売却を前提にしない内容で、考える順番や選択肢をまとめています。
親の家は、急いで結論を出すものではありません。
売るか、売らないか。
その答えは一つではなく、そのご家族ごとに違います。
伏見・山科で、私たちはこれからも、「まだ決めきれない」という時間に
寄り添い続けたいと考えています。


