住み替え=引っ越し、と思っていませんか?子育て卒業世代の“本当の選択肢”

「住み替えを考えています」

そうおっしゃる方のお話を聞いていると、多くの場合、頭に浮かんでいるのは“今の家を売って、どこか別の家へ引っ越すこと”です。

もちろん、それも立派な住み替えの一つです。
ただ、子育てを終えた今の暮らしにとって、本当にそれだけが選択肢なのでしょうか。

私たちは、これまで京都市内や近郊で、子育てを終えたご夫婦やお一人暮らしの方の住まいのご相談を数多くお受けしてきました。
その中で感じるのは、「住み替え」という言葉が、少しだけ誤解されているということです。

伏見区にお住まいの60代ご夫婦。
ご相談のきっかけは、「2階にほとんど上がらなくなったこと」でした。

子どもたちが独立し、使われなくなった部屋は、いつの間にか物置に。
掃除も行き届かず、「この家、こんなに広かったかな」と感じるようになったそうです。

「売ってマンションに移るしかないですよね?」

最初は、そう思われていました。
でも、話をじっくり伺っていくと、こんな本音が見えてきました。

  • 住み慣れた地域を離れたくない
  • 庭いじりや土のある暮らしは続けたい
  • できれば、大きな決断は一度で終わらせたい

ここで初めて、“引っ越さない住み替え”という選択肢が浮かび上がってきます。

私たちは、住み替えを次の4つに整理して考えています。

1つ目は、家を売って、別の住まいへ引っ越すこと。
マンションや平屋など、管理のしやすい住まいへ移るケースです。

2つ目は、家を売って、小さな中古住宅を買い、整えて住むこと。
今の暮らしに合うサイズに「住まいを選び直す」住み替えです。

3つ目は、今の家を活かしながら、減築やリノベーションをすること。
2階を使わないなら小さくする、間取りを今の生活に合わせて組み替える。
住み続けながらの住み替え、とも言えます。

4つ目は、今は何も決めず、将来に備えて整理だけしておくこと。
これも、立派な選択です。

大切なのは、「売るか・売らないか」を急いで決めることではありません。
自分たちの人生に、どの選択が合っているかを整理することです。

住み替えのご相談では、必ずお金の話になります。

実際によくあるのが、
「家を売ったら、思ったよりお金が残らなかった」
というケースです。

原因の多くは、

  • 新しい住まいの購入費
  • 管理費や修繕積立金
  • 駐車場代
  • 毎月の固定費

これらをまとめて考えていなかったことにあります。

一方で、家を小さく整え、光熱費や維持費が下がり、「毎月の支出が軽くなった」という方も少なくありません。

大切なのは、「いくらで売れるか」よりも、
これから毎月、いくらかかる暮らしなのかを見ることです。

住み替えという言葉に、どこか寂しさを感じる方もおられます。

でも私たちは、こう考えています。

住み替えは、人生を小さくすることではなく、整え直すこと。

家を小さくすることで、掃除の手間が減り、時間に余白が生まれ、「やりたかったこと」に目を向けられるようになる。

それは、人生をデザインし直すことでもあります。

私たちは、
「とにかく売りましょう」
「今がチャンスです」
そんなご提案はしていません。

人生をデザインし、価値を創造する。
そのために、不動産や建築があると考えています。

住み替えは、ゴールではありません。
これからの人生を、どう楽しむかを考えるための手段です。

もし今、
「この家、これからどうしようか」
と少しでも感じておられるなら、
減築やリノベーションという選択肢も、ぜひ知ってみてください。

きっと、“引っ越さない住み替え”の可能性も見えてくるはずです。