相続で“争族”にならなかった京都の家族に共通していたこと

― 不動産よりも、先に守ったもの ―

相続という言葉を聞くと、多くの方が心のどこかで不安を感じます。

「うちは大丈夫だと思うけれど……」
「仲は悪くないはずだけど……」

それでも実際には、相続をきっかけに家族関係がぎくしゃくしてしまう、いわゆる“争族”は後を絶ちません。

一方で、同じように親の家を相続しながら、揉めることなく、穏やかに話が進んだ家族も確かに存在します。

今回は、京都市伏見区・山科区で相続相談に関わる中で見えてきた、“争族にならなかった家族に共通していたこと”をお伝えします。

それは、不動産の話をする前に、気持ちの話をしていたことです。

  • 誰がいくら相続するか
  • 家を売るのか、残すのか

こうした話題よりも先に、

「この家、どう思っている?」
「親は、どうしてこの家を大事にしていたんだろう」

そんな会話を、時間をかけて重ねていました。

相続で本当にこじれやすいのは、お金の問題そのものよりも、「気持ちを置き去りにしたまま話が進むこと」なのだと、私たちは感じています。

「誰か一人が背負わない」ことを決めていた

争族にならなかった家族には、ある暗黙のルールがありました。

それは、「誰か一人に決断を押しつけない」ということです。

  • 長男(長女)だから
  • 近くに住んでいるから

そうした理由で、一人に判断を任せてしまうと、後から必ず歪みが生まれます。

うまくいった家族ほど、

  • すぐに答えを出さない
  • 全員が意見を言う場をつくる

この姿勢を大切にしていました。

「相続=売却」と決めつけなかった

揉めなかった家族は、最初から結論を一つに絞っていません。

  • 売るという選択
  • 小さくして住み続ける選択
  • 子ども世代につなぐ選択
  • 今は決めない選択

こうした可能性を並べた上で話すことで、「奪い合い」ではなく
「選び合い」の相続になっていました。

選択肢が一つしかないと、どうしても利害がぶつかります。

選択肢を増やすこと自体が、争いを減らす行為になるのです。

プロを「裁定者」ではなく「伴走者」として使っていた

争族にならなかった家族は、不動産のプロを、

  • 決めてもらう人
  • 白黒つける人

としてではなく、整理を手伝う人として使っていました。

  • 何が選べるのか
  • それぞれのメリット・デメリット
  • 今決めなくていいこと

これらを第三者が冷静に言葉にすることで、感情が落ち着き、家族同士の会話が前向きになります。

争族にならなかった家族は、最終的に選んだ結論が違っていても、共通してこう話されます。

「ちゃんと話せてよかった」
「家族で決めたと思える」

相続で本当に大切なのは、いくらで売れたかではなく、誰も後悔しなかったかどうか

その視点が、家族を分断から守っていました。

相続とは、資産を分ける行為であると同時に、想いを次の世代につなぐ出来事です。

だからこそ、

  • 誰かが我慢する相続
  • 誰かが悪者になる相続

になってしまうのは、とても悲しい。

私たちは、そうならないためのプロの立ち位置を、これからも大切にしていきたいと考えています。

まだ何も決まっていなくて構いません。
家族の意見がまとまっていなくても大丈夫です。

相続は、うまくまとめることよりも、丁寧に向き合うことが何より大切です。

争いではなく、前向きな再出発につながる相続になるように。

そのための伴走者として、私たちは、ここにいます。