住み替えで、思ったよりお金が残る人・残らない人、その分かれ道

「家を売れば、もう少し余裕ができると思っていました」

住み替えのご相談で、実際によく聞く言葉です。

ところが数年後、あらためてお話を伺うと、

「こんなはずじゃなかった」
「思ったより、手元にお金が残らなかった」

そう感じておられる方が少なくありません。

一方で、同じように住み替えをされたのに、「気持ちも家計も、ずいぶん楽になった」とおっしゃる方もおられます。

この違いは、収入や資産額の差ではありません。
分かれ道は、もっと手前にあります。

住み替えを考え始めると、多くの方が最初に気にされるのは、「この家、いくらで売れるのか」という点です。

もちろん、大切な視点です。
ただ、それだけで判断してしまうと、落とし穴があります。

例えば──
山科区にお住まいだった60代のご夫婦。
築40年の戸建てを売却し、駅近のマンションへ住み替えました。

売却価格は想定よりも良く、「これで安心」と思われたそうです。

ところが、暮らし始めてから気づいたことがありました。

  • 毎月の管理費・修繕積立金
  • 駐車場代
  • 固定資産税
  • 光熱費はそれほど下がらない

結果として、毎月の支出は以前より増えていたのです。

住み替えで大切なのは、「いくらで売れるか」よりも「これから毎月、いくら出ていくか」です。

  • 住宅ローンはないけれど、管理費がかかる
  • 便利になった分、外出や外食が増える
  • 修繕は不要でも、固定費は続く

こうした積み重ねが、「思ったより残らない」という感覚につながります。

一方、伏見区で別の選択をされたご夫婦もおられます。

住み替えも検討されましたが、最終的に選ばれたのは 家を小さく整える という方法でした。

使っていなかった部屋を減らし、掃除や冷暖房の範囲をコンパクトにする。
結果として、

  • 光熱費が下がる
  • 修繕箇所が減る
  • 生活動線が短くなる

「毎月の出費が軽くなった」と感じておられます。

住み替えの相談で、私たちが必ずお聞きするのは、「どんな暮らしをしたいですか?」という質問です。

  • 便利さを優先したいのか
  • 慣れた場所で、静かに暮らしたいのか
  • 手間はあっても、愛着を大切にしたいのか

この答えによって、お金の使い方の正解は変わります。

高く売れたとしても、その後の暮らしに無理があれば、それは「成功した住み替え」とは言えません。

逆に、派手さはなくても、毎月の負担が減り、心に余白ができるなら、それは立派な成功です。

住み替えを考えると、どうしても「得か損か」で判断しがちです。

でも本当は、
「この先の人生に合っているかどうか」
それだけでいいのかもしれません。

  • 家計に無理がない
  • 体への負担が少ない
  • やりたいことに時間と気持ちを使える

こうした状態をつくるために、住み替えも、減築も、リノベーションもあります。

私たちは、「高く売ること」だけを目的にしていません。

人生をデザインし、価値を創造する。
そのために、不動産や建築を使う。

住み替えで大切なのは、通帳の残高だけでなく、これからの暮らしが続いていくかどうかです。

もし今、「住み替えた方がいいのか」「この家を活かすべきか」迷っておられるなら、減築やリノベーションという選択肢も含めて、一度整理してみてください。

きっと、思ったよりお金が残る道が見えてくるはずです。