【伏見・山科の実例】

「この家、広すぎると思わへん?」
ある日、50代の娘さんから、そんな相談を受けました。

場所は伏見・山科エリア。
昭和50年代に建てられた、ごく一般的な一戸建てです。
当時は5人家族でにぎやかに暮らしていた家も、今はご夫婦二人だけ。
2階はほとんど使われず、掃除も年に数回になっていました。

娘さんは言います。
「売った方がいいんでしょうか。でも、親は“まだ住める”って言うんです」

今日は、売却せずに“家を小さくする”という選択をされた、あるご家族のお話をご紹介します。

最初のご相談内容は、とても一般的なものでした。

  • 親が高齢になってきた
  • 家が広く、管理が大変そう
  • いずれは空き家になるかもしれない

娘さんとしては、
「今のうちに売却して、マンションに住み替えた方が安心なのでは」
そんな思いもあったそうです。

一方で、ご両親はこう話されました。

「ここで子育てしてきたし、簡単には離れられへん」
「近所の人との付き合いもある」

この時点では、売る・売らない、どちらが正解かは誰にも分かりません。

私たちが最初に行ったのは、売却の話ではなく、今の暮らしを丁寧に聞くことでした。

  • 一日の大半は1階で過ごしている
  • 2階は物置状態
  • 冬は寒く、光熱費が気になる
  • 階段の上り下りが、実は少しつらい

こうした話を重ねる中で、ご両親からこんな言葉が出てきました。

「家を出たいわけやない。ただ、この広さがしんどなってきただけや」

ここで初めて、「売却」以外の選択肢が現実味を帯びてきます。

ご提案したのは、家を小さくして住み続けるという方法でした。

具体的には、

  • 使っていない2階部分を整理
  • 生活を1階だけで完結できる間取りに変更
  • 冬の寒さを和らげるための最低限の改修

建て替えではありません。
大がかりな最新設備を入れる話でもありません。

「これからの暮らしに合うサイズに、家を整える」
そんな考え方です。

工事後、ご両親の生活は大きく変わりました。

Before

  • 使わない部屋が多く、掃除が負担
  • 寒さを我慢する冬
  • 階段を使うこと自体がストレス

After

  • 生活はすべて1階で完結
  • 必要な場所だけに手が届く
  • 「今日はどこも掃除せんでええな」と笑顔が増える

娘さんはこう話してくれました。
「売るしかないと思っていました。でも、こんな選択肢があるとは思わなかったです」

このご家族にとって、一番大きかった変化は、家族の気持ちでした。

  • 親は「追い出される」不安がなくなった
  • 子どもは「無理に決断させている」罪悪感が消えた
  • 家の話が、前向きな会話になった

売却を選ばなかったからといって、問題を先送りしたわけではありません。

今の暮らしを整え、将来に備えた
それだけのことです。

不動産の相談というと、どうしても「売る・売らない」の結論を急ぎがちです。

でも実際には、

  • 売らない
  • 小さくして住み続ける
  • 今は決めない

こうした選択も、すべて正解になり得ます。

大切なのは、その家族に合った答えを、納得して選ぶことです。

私たちは、家を「高く売る」ことよりも、これからの時間をどう過ごすかを大切にしています。

広すぎる家を持て余しながら暮らすより、少し小さく、手の届く範囲で、自分たちらしく暮らす。

それは、子育てを終えた世代だからこそ選べる、とても豊かな住まい方だと感じています。

親の家のことを考え始めたとき、最初から売却を前提にする必要はありません。

  • どんな選択肢があるのか
  • 今は何をしなくていいのか
  • いつ、何を考えればいいのか

その整理のために、私たちは小冊子
「子育て卒業世代のための 住まいの整理の考え方」
をご用意しています。

売却をすすめる内容ではありません。
今回のような事例も含め、判断材料として読んでいただける内容です。

家を売るかどうかは、人生をどう続けるかの話でもあります。

伏見・山科で、私たちはこれからも、「売らない選択肢」を含めた住まいの相談に、静かに寄り添っていきたいと考えています。