空き家=売る、しかないと思っていませんか?

― 実は、道は一つじゃありません ―

空き家の相談を受けていると、多くの方が、最初にこう言われます。

「売るしかないですよね」
「他に、何か方法ってあるんですか?」

その言葉には、あきらめと、少しの不安が混じっています。

でも、はっきりお伝えしたいのです。
空き家は、売るか放置か、の二択ではありません。

理由は、とてもシンプルです。

  • 誰にも相談していない
  • 情報が入ってこない
  • 周りも、そうしている

不動産の話は、家族でも、友人でも、なかなか話題にしづらいものです。

結果として、
「空き家=売却」
というイメージだけが、頭に残ってしまう。

でもそれは、
選択肢を知らないまま、結論だけを背負っている状態です。

京都アシストに来られる方の多くは、最初から「売る」と決めて来られるわけではありません。

  • どうしたらいいかわからない
  • 兄弟で意見が割れている
  • 自分の気持ちが整理できていない

そんな状態で来られます。

だから私たちは、いきなり「売却」の話はしません。

まずするのは、今の状況を一緒に整理することです。

空き家の使い道は、思っているより、ずっと幅があります。

・売る

もちろん、一つの選択肢です。
ただし「今すぐ」だけが正解ではありません。

・貸す

少し整えるだけで、誰かの住まいになり、家が“役割”を持ち始めることもあります。

・小さく使う

全部を活かさなくてもいい。
一部だけ使う、という考え方もあります。

・将来に備えて整える

今は決めない。
でも、傷みすぎないように手を入れておく。

大切なのは、どれが正解かではなく、どれが今の自分に合っているかです。

意外に思われるかもしれませんが、「今は売らない」と決めたことで、気持ちが楽になる方もおられます。

なぜなら、“決めた”という事実が、心の重荷を一つ下ろしてくれるからです。

何も決まっていない状態が、一番しんどい。

空き家がつらいのは、建物の問題だけではありません。
先が見えないことが、しんどいのです。

ここで、もう一つ大事なことを。

空き家について、今すぐ結論を出す必要はありません。

  • 売るかどうか
  • 貸すかどうか
  • 残すかどうか

それを「決めない」と決める、という選択肢もあります。

ただし、何も考えないまま放置するのとは、まったく違います。

状況を整理し、選択肢を知った上で、今は動かない。

これは、立派な判断です。

私たちは、空き家を「厄介な不動産」だとは思っていません。

空き家は、人生の節目に現れる存在です。

  • 親の死
  • 家族の関係
  • これからの自分の暮らし

それらを、否応なく考えさせられる。

だからこそ、不動産の話だけでは、片付かないのです。

私たちが大切にしているのは、売却査定の前の時間です。

  • 何に迷っているのか
  • 何が不安なのか
  • 本当はどうしたいのか

それを、言葉にするための相談

「空き家について話すだけの相談」
それくらいの気持ちで、ちょうどいい。

答えを出す場所ではありません。
気持ちを整理する場所です。

売る・売らないを考える前に、一度、立ち止まって考えてみてください。

この家を、誰のために残そうとしているのか。

その答えが見えてくると、選択肢の見え方も、変わってきます。

売るかどうかは、まだ決めなくて構いません。

まずは、空き家について話すだけの相談から始めてみませんか。

気持ちの整理だけでも、大丈夫です。


次回は、
「厄介者だった空き家が、お金を生み出す存在になった話」
をお届けします。

空き家は、終わらせるものではなく、動かすことができるものです。