子育てが終わってから、家が広すぎると感じ始めた方へ

「最近、家の中で使っていない部屋が増えてきた」
「2階には、もう何カ月も上がっていない」
そんな言葉を、私はこれまで何度も耳にしてきました。

子育て中は、あれほど“手狭だ”と感じていた家。
ところが、子どもたちが独立した途端、今度は逆に広すぎると感じ始める。
これは決して珍しいことではありません。

むしろ、とても自然な変化だと私は思っています。

多くの方は、こうした思いを
「贅沢な悩みかもしれない」
「まだ住めるのにもったいない」
と、心の奥にしまい込んでしまいます。

でも実際には、これは不満ではなく違和感です。

人生のステージが変わったのに、住まいだけが昔のまま。
そのズレに、体や心が気づき始めているだけなのです。

子育て世代にとって、広い家は安心でした。
子ども部屋、物干し、収納、来客用の和室。
必要だったからこそ、その広さを選ばれたのだと思います。

けれど今はどうでしょう。

  • 掃除する面積が多い
  • 冬は家の中が寒い
  • 固定資産税や修繕費が気になる
  • 階段の上り下りが少し億劫

一つひとつは小さなことでも、積み重なると「この家、今の自分たちには大きすぎるのかもしれない」という感覚につながっていきます。

ここで誤解してほしくないのは、暮らしを見直すこと=家を売ることではない、という点です。

売却も、住み替えも、リフォームも、すべては「選択肢の一つ」にすぎません。

  • 今の家を、今の暮らしに合わせて整える
  • 使っていない部分を思い切って減らす
  • 無理のないサイズの住まいに移る
  • しばらく何もしない、という判断をする

どれも、間違いではありません。

大切なのは、自分たちの今と、これからに合っているかどうか
それだけです。

相談の中でよく話題に上がるのが、2階の存在です。

「物置になっています」
「布団を干すときだけ上がります」
「正直、ほとんど使っていません」

この言葉が出てきたとき、私は「もう答えは出始めているのかもしれませんね」と感じることがあります。

無理に使わなくなった場所は、今の暮らしに必要なくなったサインでもあります。

それを責める必要はありません。
暮らしが変わった証拠だからです。

「でも、何かを決めないといけない気がして…」
そう言われる方も多いのですが、私はいつもこうお伝えしています。

私は、決断のお手伝いではなく、
“考える時間”のお手伝いをしたいと思っています。

すぐに結論を出す必要はありません。
売るかどうかも、住み替えるかどうかも、今は決めなくていいのです。

ただ一度、
「これから、どんな暮らし方をしたいか」
「この家で、どう年を重ねていきたいか」
そんなことを、ゆっくり言葉にしてみてほしいのです。

家は、一生変えてはいけないものではありません。
家族の形が変われば、暮らし方が変わるのは当たり前です。

「子育てが終わって、家が広すぎると感じ始めた」
その感覚は、これからの人生を考え始める
とても良いタイミングなのだと思います。

もし今、
「まだ売るつもりはないけれど、少し話だけ聞いてみたい」
そんな気持ちが芽生えているなら、それで十分です。

決断は、もっと先でかまいません。
まずは、考える時間を持つところから。
私は、そのお手伝いができれば嬉しいと思っています。