リフォーム前提の話ばかりする会社に、少し注意してほしい理由

不動産会社や工務店に相談に行ったとき、比較的早い段階で、こんな話が始まることがあります。

「ここは直した方がいいですね」
「この間取りは使いにくいので変えましょう」
「せっかくなら、まとめてリフォームした方がいいですよ」

一見、とても親切な提案に聞こえます。
実際、家をきれいにすることや、使いやすくすることは、決して悪いことではありません。

ただ、ここで少しだけ、立ち止まって考えていただきたいのです。
その話、本当に“今”する必要がありますか?

住まいの相談に来られる方の多くは、最初から「リフォームしたい」と決めているわけではありません。

・家が広すぎる
・使いにくさを感じている
・この先どう暮らすか、漠然と不安

そんな思いを整理したくて、相談に来られます。

ところが、話が進むうちに、いつの間にか
「どこを直すか」
「いくらかかるか」
という話が中心になってしまうことがあります。

これは、誰かが悪いわけではありません。
リフォームを仕事にしている側からすれば、
「改善点」が目に入るのは自然なことです。

ただし、順番を間違えると、ズレが生まれます。

山科区の築40年以上の戸建てにお住まいの方から、こんなご相談がありました。

  • 家は広い
  • 子どもは独立
  • 2階はほとんど使っていない
  • 寒さと掃除がつらくなってきた

相談先で言われたのは、
「断熱を入れましょう」
「水回りも古いので、まとめて替えた方がいいですね」
という話。

確かに、どれも間違ってはいません。
ですが、その方の本音はこうでした。

「本当は、そこまできれいにしたいわけじゃないんです」
「この先、どんな暮らしが合っているのかを知りたくて…」

話が“工事ありき”で進んだことで、気持ちの整理が追いつかなくなってしまったのです。

ここで大切にしてほしい考え方があります。

リフォームは、暮らしを整えるための手段であって、それ自体が目的ではありません。

  • 今の暮らしの、何が負担になっているのか
  • 本当に困っているのは、広さなのか、動線なのか
  • この先、どんな時間を大切にしたいのか

これらが整理されないまま工事の話が進むと、
「きれいにはなったけれど、何か違う」
という結果になりやすいのです。

特に、子育てを終えた世代の住まいは、“足す”よりも“整える”ことが大切な場面が多くなります。

住まいの相談というと、
「あれも直さないといけない」
「ここも古い」
と、減点方式で見られがちです。

ですが、すべてを新しくしなくても、暮らしは十分に成り立つことがあります。

  • 使っていない部屋は、そのまま触らない
  • 今の生活に必要な場所だけを整える
  • 不便さを、あえて残す

こうした考え方は、最初からリフォーム前提で話が進むと、なかなか出てきません。

伏見区や山科区には、
・昔ながらの間取り
・味わいのある素材
・今の家にはない“余白”
を持つ家が多く残っています。

それらは、
「古い=直すべきもの」
と一括りにされがちですが、見方を変えれば、暮らしの個性にもなります。

だからこそ、
「どう直すか」よりも先に、
「どう暮らしたいか」を考える時間が、とても大切になります。

リフォーム前提の話が早い会社が、すべて悪いわけではありません。

ただ、ひとつの目安として、こんな質問をしてみてください。

「まだ、どうするか決めていないんですが…」

そのときに、
・「大丈夫ですよ、ゆっくり考えましょう」
・「まずは暮らしの話を聞かせてください」
と言ってくれるかどうか。

この反応には、その会社の姿勢が表れます。

住まいは、人生の器です。
器をどう整えるかは大切ですが、その前に
「これから、何を入れたいのか」
を考える時間があってもいいはずです。

リフォームの話が早すぎると感じたときは、一度、こう問いかけてみてください。

「これは、今の自分たちに本当に必要なことだろうか」

その問いが、後悔しない判断につながります。

次はいよいよ最後の記事です。
「『すぐ決めなくていい』と言ってくれる会社は、実は少ない」
というテーマで、不動産会社との向き合い方をお話しします。