親の家を売る前に、子ども世代が必ず確認しておきたい3つのこと
親の家について考え始めるのは、たいてい突然です。
入院、体調の変化、空き部屋の増加、あるいは何気ない一言。
「この家、将来どうするんやろな」
50代の子ども世代にとって、親の家は自分の問題でありながら、勝手に決めてはいけない問題でもあります。
売った方がいいのか。
でも、言い出すのは気が重い。
調べれば調べるほど、何から手を付ければいいのか分からなくなる。
そんな方に向けて今日は、売却を考える前に、必ず確認しておいてほしい3つのことをお伝えします。
これは、私たちが伏見・山科で多くのご相談を受ける中で、「これを飛ばすと後悔につながりやすい」と感じてきた、大切な順番です。
① 親は「この家」で、これからどう暮らしたいと思っているのか

最初に確認してほしいのは、売れるかどうかでも、いくらになるかでもありません。
それよりも先に、親がこの家で、これからどう暮らしたいと思っているかです。
多くの親御さんは、こんな気持ちを持っています。
- 子どもに迷惑をかけたくない
- でも、住み慣れた家は離れがたい
- 本音を言っていいのか分からない
その結果、「まだ大丈夫」「好きにしたらええ」という、少し曖昧な言葉になりがちです。
ここで大切なのは、売る・売らないの話をしないこと。
- この家で、しんどいと感じていること
- 逆に、手放したくない理由
- 将来、どんな暮らしなら安心か
こうした「暮らしの話」から始めることで、初めて親の本音が見えてきます。
② 家の「名義」と「家族の立場」を整理しているか

次に必ず確認しておきたいのが、家の名義と、家族それぞれの立場です。
意外と多いのが、
- 名義は父だと思っていたら、祖父のままだった
- 土地と建物で名義が違っていた
- 兄弟姉妹の考えを、実は何も聞いていなかった
というケースです。
親の家の売却は、家族関係が表に出やすい出来事でもあります。
- 「長男が継ぐものだと思っていた」
- 「売るならお金の分け方はどうするのか」
- 「そもそも売ることに反対」
こうした意見は、売却を決めてから出てくると、話がこじれます。
今すぐ結論を出す必要はありません。
でも、
- 誰が関係者なのか
- 誰の意見を無視できないのか
これを整理しておくだけで、後々のトラブルは大きく減らせます。
③ 「売らない選択肢」を知った上で考えているか

三つ目は、とても大切です。
それは、
売却以外の選択肢を知った上で考えているかという点です。
親の家の話になると、どうしても
「いずれ売るしかない」
という前提で考えてしまいがちです。
ですが実際には、
- 家を小さくして住み続ける
- 生活を1階だけにまとめる
- 今は整えるだけにして、判断を先に延ばす
こうした選択肢もあります。
売却は、選択肢の一つにすぎません。
最初から「売る前提」で話を進めてしまうと、親にとっても、子どもにとっても、気持ちの整理が追いつかなくなります。
「確認すること」と「決めること」は別です
ここで一つ、安心していただきたいことがあります。
これら3つは、
今すぐ決めるためのものではありません。
あくまで、
確認するためのものです。
- 親の気持ちを知る
- 家族の関係を整理する
- 選択肢を知る
これができていれば、売るかどうかは、もっと落ち着いて考えられます。
私たちが、この順番を大切にしている理由
私たちは不動産会社ですが、「まず売却査定をしましょう」とはお伝えしていません。
なぜなら、
順番を間違えた売却ほど、後悔が残るものはない
と知っているからです。
- 気持ちの整理が追いつかないまま売ってしまった
- 家族関係にわだかまりが残った
- 本当は別の選択肢もあったと後で知った
こうした声を、何度も聞いてきました。
まずは、家族で考えるための材料を
親の家のことは、正解が一つではありません。
だからこそ、「どう考えるか」が何より大切です。
そのための材料として、私たちは小冊子
「子育て卒業世代のための 住まいの整理の考え方」
をご用意しています。
売却を前提としない内容で、今お伝えしたような
- 考える順番
- 整理の視点
をまとめています。
親の家を売るかどうかは、家の話であると同時に、家族の話です。
その話を、慌てず、無理せず、一つずつ整理していく。
伏見・山科を中心に、私たちはこれからも、そんなご家族の「考え始めの時間」に寄り添い続けたいと考えています。


