売る・売らないを決める前に一度、家族で整理してほしいこと

親の家の話は、不思議なほど切り出しにくいものです。
「売った方がいいのかな」と思いながらも、口にした瞬間、何か大切なものを壊してしまいそうで、つい先送りにしてしまう
――そんな声をよく耳にします。
でも実際に後悔される方の多くは、売ったから後悔したのではありません。
売る・売らないを決める前の“整理”ができていなかった
ただ、それだけなのです。
今日は、結論を出す前に、一度だけ家族で整理してほしいことをお伝えします。
これは、売却をすすめる話ではありません。
むしろ、急いで決めないための話です。
まず整理してほしいのは「家」ではなく「気持ち」

多くの方が、親の家の話になると、いきなりこんなことを考え始めます。
- この家、いくらで売れるのか
- 空き家になったらどうするか
- いつ売るのが正解か
でも、その前に整理してほしいのは、親と子、それぞれの気持ちです。
親御さんは、こんなことを思っているかもしれません。
- 迷惑はかけたくない
- でも、住み慣れた家は離れがたい
- 本音を言うと、子どもを困らせそう
一方、子ども世代は、
- 何かあってからでは遅い
- でも、勝手に決めるのは違う気がする
- 自分が冷たい人間に思える
このズレを整理しないまま結論に進むと、あとで必ず引っかかりが残ります。
次に整理したいのは「今の暮らし」と「これからの暮らし」

売るかどうかを考える前に、今の暮らしを、少しだけ丁寧に見てみてください。
- 一日の生活は、どこで完結しているか
- 使っていない部屋はどれくらいあるか
- 実は我慢している不便はないか
「まだ元気だから大丈夫」と言っていても、寒さ、階段、掃除の負担などは、少しずつ積み重なっています。
そして大切なのは、これから先、どんな暮らしなら安心かを話すこと。
- ずっとこの家で過ごしたいのか
- 家を小さくする選択肢はあるのか
- 将来、住み替えも視野に入れるのか
この整理ができていないと、売却は“逃げ道”のような選択になってしまいます。
家族の立場と関係を、静かに確認しておく

親の家の話は、家族関係が表に出やすいテーマでもあります。
- 兄弟姉妹は何人いるのか
- 誰が主に関わるのか
- それぞれ、どう感じていそうか
今すぐ答えを出す必要はありません。
でも、「この話は誰に関係するのか」を整理しておかないと、後から話がこじれやすくなります。
とくに京都では、「長男が継ぐもの」「家は残すもの」という価値観が、今も心のどこかに残っています。
それを否定する必要はありません。
ただ、存在していることを認識する。
それだけで、話の進め方は変わります。
「売らない選択肢」を知ってから決める
多くの方が、「家の話=売却」という前提で考えています。
でも実際には、
- 家を小さくして住み続ける
- 生活を1階だけにまとめる
- 今は整えるだけにして、判断を先に延ばす
こうした選択肢もあります。
これらを知らないまま売却を決めると、後から
「そんな方法があったなんて」
という後悔につながりやすくなります。
整理することと、決めることは別です
ここで一番お伝えしたいのは、整理=結論ではないということです。
- 気持ちを整理する
- 暮らしを見直す
- 選択肢を知る
これができた上で、「今は決めない」という判断も、とても前向きな選択です。
むしろ、何も整理せずに出した結論の方が、あとから揺らぎやすいのです。
私たちがこの「整理の時間」を大切にしている理由
私たちは不動産の会社ですが、最初から「売りましょう」とはお伝えしません。
なぜなら、家は人生の背景そのものだからです。
売る・売らないは結果であって、本当に大切なのは、納得して進められるかどうか。
そのためには、少し遠回りに見えても、一度立ち止まる時間が必要だと考えています。
まずは、家族で考えるための材料を
売る・売らないを決める前に、家族で整理するための材料として、私たちは小冊子
「子育て卒業世代のための 住まいの整理の考え方」
をご用意しています。
- 売却を前提にしない
- 考える順番を示す
- 京都らしい事情も踏まえる
そんな内容です。
親の家の話は、急いで答えを出す話ではありません。
一度、家族で整理する。
それだけで、この先の選択は、ずっと穏やかなものになります。
伏見・山科を中心に、私たちはこれからも、「決める前の時間」に寄り添う存在でありたいと考えています。


