ご近所の目が気になって…-親の家を売る話が進まないときの考え方-
「売るのは仕方ないと思うんですけど……ご近所に、なんて言えばいいのか分からなくて」
伏見・山科で親の家の相談を受けていると、とてもよく聞く言葉です。
家そのものよりも、価格よりも、手続きよりも――
“ご近所の目”が気になって、話が止まってしまう。
これは、京都らしい悩みだと私たちは感じています。
なぜ、京都では「ご近所の目」が気になるのか

京都、とくに伏見区や山科区には、こんな特徴があります。
- 同じ場所に何十年も住んでいる人が多い
- 親同士が顔見知り
- 町内会や自治会のつながりが今も残っている
その中で、
- 「あそこの家、売りはったらしいで」
- 「子どもが追い出したんちゃう?」
- 「相続でもめたんかな」
そんな “言われていそうな気がする空気” が、どうしても頭をよぎってしまいます。
実際に言われているかどうかより、
「そう思われたら嫌だ」
その気持ちが、売却の話を止めてしまうのです。
ご近所の目が気になる人ほど、家族思いです
ここで一つ、はっきりお伝えしたいことがあります。
ご近所の目が気になる方ほど、親のことも、家のことも、大切に思っています。
- 親が長年築いてきた人間関係
- 家族の歴史
- 地域の中での立場
それを壊してしまう気がして、簡単に「売ろう」と言えない。
これは、決して弱さではありません。
とても京都らしい、誠実な感覚だと思います。
でも、「気にしすぎて何も進まない」こともある

一方で、こんなケースも実際にあります。
- ご近所の目が気になって何年も放置
- 親が亡くなり、家が空き家に
- 結果的に、近所から心配される存在になる
皮肉なことですが、何も決めずに放っておく方が、かえって目立ってしまうこともあるのです。
- 草が伸びる
- 雨戸が閉まったまま
- 人の気配がなくなる
そうなると、「どうしたんやろ?」という声は、自然と出てきます。
「売る=冷たい」は、ほとんどの場合当てはまりません
多くの方が心の中で、こんな不安を抱えています。
- 売ったら、親を見捨てたと思われないか
- 子どもが勝手に決めたと思われないか
でも、実際に売却されたご家庭で、ご近所から多かった反応は、意外にもこうです。
- 「長いこと住まはったもんね」
- 「これからは楽になりますね」
- 「ちゃんと考えはったんやな」
ご近所の方も、年を重ねています。
事情があることは、みんな分かっているのです。
大切なのは「どう売るか」より「どう伝わるか」

ご近所の目が気になる場合、重要なのは売却そのものよりも、その過程がどう見えるかです。
例えば、
- 親が元気なうちに話を進める
- 急にバタバタと片付けない
- 「住み替え」「整理」という文脈を大切にする
こうした進め方は、周囲にも自然に受け取られます。
逆に、
- 何の説明もなく急に空き家
- 相続後に突然売却
となる方が、余計に憶測を呼びやすいのです。
「誰にも何も言わなくていい」も、正解の一つ
誤解しないでいただきたいのは、ご近所に説明する義務はないということ。
- 回覧板で知らせる必要もありません
- 理由を詳しく話す必要もありません
「長いこと住んだ家を整理することにしました」
それだけで十分です。
むしろ、無理に説明しようとする方が、自分自身がしんどくなってしまうこともあります。
私たちが「ご近所の話」を必ず聞く理由
私たちは不動産の会社ですが、売却相談のとき、必ずこんなことをお聞きします。
- ご近所との関係はどうですか
- 親御さんは、地域でどんな立場でしたか
なぜなら、家は土地や建物だけでできていないと知っているからです。
とくに京都では、人との関係が暮らしの一部になっています。
だからこそ、価格や条件だけでなく、「気持ちの整理がつくかどうか」をとても大切にしています。
ご近所の目が気になるときこそ、焦らなくていい
親の家を売るかどうかは、急いで決めるものではありません。
- ご近所の目が気になる
- まだ踏み切れない
そう感じているなら、それは 考える時間が必要なサインです。
無理に気持ちを押し殺して進めるより、一度立ち止まって整理する方が、結果的に後悔は少なくなります。
まずは「どう考えればいいか」を知るところから
私たちは、売却を前提にしない小冊子
「子育て卒業世代のための 住まいの整理の考え方」
をご用意しています。
- ご近所との関係
- 親の気持ち
- 売る・売らないの選択肢
こうしたことを、落ち着いて考えるための内容です。
親の家をどうするかは、家の問題であると同時に、地域との関係をどう締めくくるかという話でもあります。
京都という土地で暮らしてきた家だからこそ、その終わらせ方にも、やさしさと配慮があっていい。
伏見・山科を中心に、私たちはこれからも、そんな「言葉にしにくい悩み」に静かに寄り添っていきたいと考えています。


